セミナーレポート

第6回九州サイバーセキュリティシンポジウム(KYUSEC)に参加して ― セキュリティレベルの底上げとサプライチェーンの強化に向けて

※本稿は現地でイベントに参加した範囲にもとづく筆者の感想・所感です。公式情報や実態と異なる場合があります。

KYUSECとはどんなイベントなのか

毎年3月に開催される九州におけるサイバーセキュリティの地域イベントです。

地域レベルでのコミュニティを形成することにより、地域におけるサイバーセキュリティの向上を目指すことが主な目的となっています。
各県を持ちまわるかたちでイベントが開催されており、2026年はお隣の佐賀県で開催されました。

サイバーセキュリティの専門家や技術者はもちろん、産官学(民間企業、行政機関、教育・研究機関)からも多くの参加者が九州はもちろん全国から集いました。

2026年のテーマはサプライチェーンの強化

今回のテーマは「中小企業を含めたサプライチェーン全体での対策強化」でした。
昨今ではサイバー攻撃被害により取引先にまで影響が及ぶケースがあり、自社や自組織といった「点」だけではなく取引先との影響を考慮した「面」で守っていくことが必要な時代となってきています。

サイバー攻撃のリスクを正しく認識して、サプライチェーンを考慮した実践的対策や地域連携による支援策を考えていくために、イベントでは講演やパネルディスカッション、参加者同士の交流の場などが設けられました。

各講演を聴いて

大手企業、中小企業、医療、研究機関など、様々な観点からのサイバーセキュリティ対策推進についての講演が2日間にわたって行われました。

各講演を聴いて以下のようなことが学べたり考えさせられたのではないかと思います。

  • イラン情勢などで現実としてサプライチェーンの影響が身近な生活にまで及んでいる昨今、企業の事業継続をどう考えていくべきか。
  • 企業や組織内のセキュリティ対策は、ネットワークやシステムだけでなく運用する人間を巻き込んだ対策も大事であること。また、企業や組織単体でできない対策はSOCなどの外部のサービスを利用すること。など、サイバーセキュリティ対策の幅広い対応について。
  • 個人的に中小企業のサイバーセキュリティ対策の支援について興味がありましたが、中小企業の限られたリソースの中で出来ることからサイバーセキュリティ対策を始めていくことが大切なこと。
  • サプライチェーンの防御は集団防御であり、サプライチェーンの弱いところに対するサイバー攻撃の対策は一筋縄ではいかないものではありますが、技術、プロセス、人で守っていく姿勢が大切であること。
  • サイバーセキュリティに関する人的脅威については、コンピュータ社会に生きる人間として人間の弱みに付け込む攻撃に対してどう対応するべきか。
  • 医療や福祉関連では人の命に係わる分野であるため、施設個別に限らずグループなり地域なり広い範囲でのサイバーセキュリティ対策を構築して運用していく必要性。

また、複数の講演から経済産業省によるサプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(以下、SCS評価制度)に関する話題が出ており、(注:コラムの執筆時点(2026年6月)ではまだ制度が始まっておりません。)これからは取引先間でのサイバーセキュリティ防御の強化に向けた動きが加速されるのではないかと期待しております。

パネルディスカッションを聴いて

パネルディスカッションでは、大学の研究者、会社経営者、医療関係者、警察関係者の方のパネリスト4名により、地域のセキュリティコミュニティ活動について議論が行われました。

  • 地域のセキュリティコミュニティ活動を通じて、地域レベルでの交流を通じ顔の見える関係を築くとともに、次の世代を育成することによるコミュニティ活動の持続性について。
  • 地域の医療サイバーセキュリティの備えとして、医療機関でのBCP(事業継続計画)に基づいた演習や訓練の継続だけでは限界があり、AIや技術の活用、そしてコミュニティで備えていくこと。

別々の業種や立場の視点の方々による議論が行われたわけですが、サイバーセキュリティの面で個々の企業や組織での防御対策だけは持っているリソースの制約などでやれることに限界があるため、AIなどの技術の活用や取引先や地域などの横のつながりで守っていく。それを持続していくことが非常に大切なことを考えさせられました。

交流イベントに参加して

参加者同士の交流イベントとして、講演後の交流会やナイトセッションと呼ばれるいくつかのテーマに別れたグループディスカッションを行う場が設けられておりました。

交流会では、参加者同士の挨拶のほか、出展企業のブースで取り扱ってる製品等のお話をきくことができ、実際のビジネスにおいてどのような製品が出ているか、現時点の動向を知る良い機会でありました。

ナイトセッションでは、筆者はサイバーセキュリティとAIのテーマの集まりに参加しました。
数か月で新しいものがどんどん出てくる今のAIの動向である中、自分たちの現場でのAIの利活用はどんな感じかを参加者同士で話し合っておりました。

  • 現場のルールなどで生成AIの利用に制約がある。
  • 現場によっては生成AIの利用を禁止されている。

といった生の声をきくことができました。
そういった中でこれからAIをどう活用するかを考える良い機会となりました。

そのほか、将来のサイバーセキュリティを担う人材育成を目的とした若者(学生、若手社員など)向けのセミナーなどもやっており(筆者はおじさんなのでセミナーには参加しておりませんが)、地域でのサイバーセキュリティの持続的な強化の側面を感じられました。

最近の話題 ― SCS評価制度に向けて

イベントのテーマでもあるサプライチェーンの強化について各方面で様々な話題が出てくる昨今ではございますが、国では経済産業省によるSCS評価制度が2026年度末の開始を目指して準備が進められています。

この制度で評価を受けることは、取引先間でセキュリティの対策の説明がしやすくなることになり、サプライチェーン強化につながることが期待されています。
制度開始に向けた各種資料が少しずつではありますが公開されており、★取得に向けた準備を進めておく必要を感じている企業や組織もいるのではないかと思います。

最後に ― 福岡発のサイバーセキュリティ企業として

九州の地域イベントに参加した意義として、弊社は地域のセキュリティレベルの底上げをしたいと考えており、サイバーセキュリティ事業としては、まずは九州全域をターゲットにしています。(もちろん全国対応も可能です。)

弊社の事業として大企業はもちろん、サイバーセキュリティ対策に悩む中小企業のお客様を強力にサポートしていきたいと考えております。
『リソースが不足しがちな中小企業様に寄り添うこと』を使命とし、お客様の事業規模・IT環境・リスク許容度などに基づいた適切な提案やソリューションの提供をいたします。

また、サイバーセキュリティ対策としてお客様単体では難しいものもあるかと思います。弊社では色々なソリューションを取り揃えておりますが、特にSOC(Security Operation Center)お客様の運用負荷を下げるためのソリューションとして実績もあり、お客様からの好評をいただいております。

サプライチェーンの強化に向けたセキュリティ対策の見直しや、セキュリティ対策を強化したいが自分たちのリソース的に難しいとお考えの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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